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感染症情報

 

アデノウイルスによる咽頭結膜熱が流行しています!

 

 

 咽頭結膜熱は発熱、咽頭炎、眼症状を主とする小児の急性ウイルス性感染症です。アデノウイルスが原因です。夏期=プールの時期に流行するので、プール熱とも呼ばれます。

 

<感染経路>

 通常飛沫感染、あるいは手指を介した接触感染であり、結膜あるいは上気道から感染します。十分な塩素消毒下のプールの水ではウイルスは死滅しますが、タオル等の共同利用は感染源になります。

 

 アデノウイルスは50種類以上の型が報告されています。咽頭炎から肺炎などの呼吸器疾患、咽頭結膜熱、流行性角結膜炎などの眼疾患、胃腸炎などの消化器疾患、出血性膀胱炎などの泌尿器疾患から、肝炎、膵炎から脳炎にいたるまで、多彩な臨床症状を引き起こします。

 咽頭結膜熱の流行をおこすのは多くは3型ですが、4型、7型、また2型、11型など他の型による場合もあります。

 

<症状・診断>

 典型例では、37日間続く高熱とそれに伴う咽頭炎や結膜炎の症状です。午前中は解熱し、夕方から夜にかけて発熱する傾向があるため、食欲や全身状態は比較的良好に保たれます。

 診断にウイルス抗原検出キットを利用する場合があります。

 

<治療・予防>

 特異的治療法はなく、対症療法が中心です。

 ワクチンはなく、予防は感染者との密接な接触を避けることと、流行時にうがいや、手指に対しては流水と石鹸による手洗いを行います。消毒用エタノールの消毒効果は弱いことが知られています。

 

<学校保健法における取り扱い>

 学校安全法では、第二種伝染病に位置づけられており、主要症状が消退した後2日を経過するまで出席停止とされています。

 

松本市医師会感染症委員会 副委員長 水野 史

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