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感染症情報
その他
- 2017.09.15
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感染症情報(平成29年9月15日)
冬季に流行する、RSウイルスによる呼吸器感染症です。一般的に流行のピークは11月から1月ですが、今年は全国的に例年より早く、8月下旬から散見されていました。松本近郊でも本格的な流行が始まりました。
生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%の児がRSウイルスの初感染を受けます。生涯、何回も繰り返し感染を受けます。
<症状>
4~6日間の潜伏期間を経て発熱、鼻水、咳などの症状が数日から2週間程度続きます。成人では、いわゆる風邪症状です。
重たくなると肺炎や細気管支炎を起こします。細気管支炎の例ではゼーゼーいう、呼吸が早いなどの呼吸困難を呈します。
さらに重篤な合併症として、無呼吸発作や急性脳症が知られています。
早産児、生後3か月以内、心臓や肺に病気をもつ乳児、免疫不全が存在する児は、重症化のリスクがあります。
<感染経路>
RSウイルスの主な感染経路は飛沫感染と接触感染です。他のウイルス感染症にも共通ですが、うがい、手洗いが予防になります。
咳、鼻汁があると感じた方は、マスクの着用や、咳をするときに手やハンカチを口にあてるなどの咳エチケットを行いましょう。
<治療>
特効薬である抗ウイルス薬、予防のワクチンはありません。症状に応じた治療を行います。細気管支炎や肺炎を合併した児は、入院が必要になる場合もあります。 かかりつけの医師と相談し、重症化のサインを見逃さないようにしましょう。
松本市感染症対策委員会副委員長 水野 史