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感染症情報
その他
- 2015.08.04
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感染症情報(平成27年8月5日)
感染症情報
平成27年8月
手足口病が流行中!
長野県内では夏かぜの一種である「手足口病」と「ヘルパンギーナ」が増加しています。特に、手足口病は、先週警報レベルに達しました。
松本でも、7月から保育園、幼稚園を中心に流行していましたが、まだ増加傾向にあります。
<原因ウイルス>
<症状>
手の平、足の裏に発疹・水疱、口の中に口内炎ができます。発疹は、肘、膝、おしりまでおよぶ場合もあります。CA6型は、発症初期から39度近い高熱が出て、発疹自体も大きくて全身に広く出てくるという違いがあります。手、足、口の水泡は少なく、水ぼうそうとの区別が困難なケースもあります。罹患後3〜4週後に爪の変化(層状の白線が入る、爪が脱落する)が見られた例がありました。
<感染経路>
咳やくしゃみからウイルスを吸い込んだり、破れた水疱や便中からウイルスが口に入ることで感染します。症状が治まった後も、2~4週間は便の中にウイルスが含まれています。
<予防>
ワクチンや予防薬はありません。
一般的な感染予防、すなわち、こまめな手洗い、とくにトイレやオムツ交換の後、食事の前などに手洗いを心がけることが必要です。タオルの共用は避けましょう。マスクエチケットも大切です。
<治療>
手足口病には治療薬はありません。熱や痛みをやわらげる解熱鎮痛剤などが処方されます。
発熱、元気のよさ、食事摂取量などの症状によって注意事項や対処法が異なるので、日常生活の過ごし方や次の受診のタイミングなどをかかりつけ医と相談しましょう。
診断されたあとも、次のような場合はすみやかに受診してください。
・口のなかの痛みが強く、水分をあまり取らない
・高い熱が3日以上続く
・元気がなくぐったりしている
・吐いたり頭を痛がる
<登校基準>
発熱や咽頭所見を伴う急性期は感染源となりえますが、便からのウイルス排泄期間が長いので、流行をくい止めようとして登校・登園を長期に停止する対策は現実的ではありません。
本人の全身状態が安定している(発熱がなく、普段の食事ができる)場合は、登校・登園が可能です。手洗い(特に排便後、排泄物の後始末後)を行うことが重要です。
松本市医師会感染症対策委員会副委員長 水野 史