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感染症情報

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感染症情報

(平成27424日)


① インフルエンザの流行が遷延しています。

 4月以降、小児の集団生活が始まり、インフルエンザが流行している地域があります。B型が主体ですが、A型流行の地域もあります。

 B型は、A型と比べ、高熱や咳が生じにくく、胃腸炎症状を示す場合があるともいわれています。感染の予防方法はうがい、手洗い、マスクエチケットですが、早めの安静にも心がけてください。



② 伝染性紅斑も流行

 昨年度から一部地域に伝染性紅斑を認めます。

 伝染性紅斑とは、かぜ様症状を認めた後に顔面、頬部に少しもり上がった発赤がみられる疾患です。その状態からりんご病とも呼ばれています。


 以下にあげるような特徴があります。


 


病原体  :ヒトパルボウイルス(HPVB19


潜伏期間 :通常感染後1718日後に発疹が出現します。ウイルスの排泄期間は発疹の出現する1 ~ 2週間前の数日間といわれています。


感染経路 :主として飛沫感染です。


症状   :かぜ様症状とそれに引き続く顔面などの発赤を特徴としています。発疹は両側の頬と四肢伸側にレース状、網目状に出現します。一旦消失して、再び2 ~ 3週間後に出現することもあります。かゆみを訴えることもあります。合併症として、重症の貧血を生じたり、血小板減少や関節炎を起こすことがあります。また妊婦が感染した場合には、胎児が胎児水腫という危険な状態に陥る可能性があるので注意が必要です。

       なお、成人では発疹が出現することは少なく、関節痛(手指のこわばりなど)だけがみられることもあります。


診断   :通常は臨床症状によりなされます。確定のために血液で抗体検査を行う場合もあります(保険適応は紅斑が出現している妊婦のみ)。


治療法  :特効薬はありません。対症療法が行われます。


予防方法 :感染力は弱く、発疹期にはウイルス排泄はないので、飛沫感染症としての一般的な予防方法が大切です。ワクチンはありません。


登校(園)基準:発疹期には感染力はほとんど消失しているので、発疹だけで全身状態のよい人は登校(園)可能です。ただし急性期には症状が変化しますので、個々の症例の最終判断は主治医が決めることになります。



 


松本市医師会感染症対策委員会副委員長 水野 史


 




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