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感染症情報(平成26710日)



①食中毒

 食中毒は一年中発生しますが、そのうち、細菌が原因となる食中毒は夏場に多く発生しています。細菌の代表的なものは、サルモネラ菌、腸管出血性大腸菌 (O-157など)、赤痢菌やカンピロバクター(冬でも)などで、これらの細菌は高温多湿を好むため梅雨時に食中毒が増えます。

 食中毒は、飲食店など外で食べる食事だけでなく、家庭でも発生しています。

腹痛や下痢、おう吐などの症状が急に出た場合や、同じ物を食べた人が同時に発症した場合、食中毒の可能性があります。

 症状の重さには個人差があり、免疫の弱い人、基礎疾患のある人、とくに小児では、脱水、低血糖などを合併する人もいます。医師の診断を受けずに、市販の下痢止めなどの薬をむやみに服用しないようにし、早めに医療機関を受診しましょう。

 

家庭での予防方法はこちらを参考にしてください。

http://www.gov-online.go.jp/featured/201106_02/contents/point.html

 

②咽頭結膜熱(プール熱)

 プールの開始とともに流行し始めました。「プール熱」はアデノウイルスが引き起こす、夏風邪の一種です。典型的な症状は、発熱が37日続き、咽頭炎(のどが赤くなる、痛くなる)、結膜炎(目の充血、目やに)です。

 感染経路は主に接触感染や飛沫・糞口感染で、タオルや手についたウイルスが他の人につくことによって感染します。

 抗菌薬は無効で、ワクチンや抗ウイルス薬といった特効薬もありません。

 学校や園では出席停止扱いの感染症なので、症状が消失して2日経過するまでは、自宅安静が必要です。

 

 

③溶連菌感染症

 A群溶血性連鎖球菌(以下溶連菌)が原因による咽頭炎です。主な症状は、発熱、咽頭痛です。舌がイチゴ様に紅くブツブツし、体に発疹がでる場合があります。その他、頭痛、腹痛、首のリンパ節の腫れもみられます。

 診断は、症状にもよりますが、診断キットが有効です。他のウイルス性疾患(風邪)と症状が似ているので、周囲に溶連菌感染と診断された人がいる場合は、医療機関を受診して下さい。

 治療は抗菌薬が有効です。症状が消えてもリウマチ熱(心炎)や腎炎の予防のため、12週間の治療が必要です。診断されたら、医師の指示にしたがって治療を継続してください。

 

松本市医師会感染症対策委員会副委員長 水野 史

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