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お知らせ
- 2016.07.22
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感染症情報(平成28年7月23日)
感染症情報
1、夏かぜ流行中!
夏本番になり、「咽頭結膜熱」、「手足口病」、「ヘルパンギーナ」が流行しはじめました。
これらは夏かぜ症候群といわれ、主に夏に流行する、ウイルスが原因の感染症です。
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手足口病 |
ヘルパンギーナ |
咽頭結膜熱(プール熱) |
主な症状 |
口の中・手のひら・足の裏や甲・肘・膝などに2〜3mmの水疱性の発疹、発熱など |
急な高熱、咽頭痛、のどの奥の1〜2mmの水疱、口内炎など |
発熱、咽頭炎、結膜炎など |
原因となる病原体 |
コクサッキーウイルスエンテロウイルス |
コクサッキーウイルス |
アデノウイルス |
感染経路 |
接触感染、飛沫感染、糞口感染 | ||
潜伏期間 |
2〜7日 |
2〜7日 |
5〜7日 |
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治った後も患者から3〜4週間程度便の中にウイルスが排泄される。 |
治った後も患者から3〜4週間程度便の中にウイルスが排泄される。 |
治った後も患者から3〜4週間程度便の中にウイルスが排泄される。 |
登校・登園の目安 |
発熱がなく(解熱後1日以上経過し)、普段の食事ができること |
発熱、咽頭炎、結膜炎などの主要症状が消失した後2日を経過するまで |
<原因と症状>
原因ウイルスによって、熱の出方、発疹の部位、その他の症状などが異なります。
同じ疾患でもウイルスの種類が多数あるため、一人が複数回かかったり、大人もかかります。
アデノウイルスのみ、ウイルスを抗原とする迅速キットが使用される場合があります。
<治療>
いずれもワクチン、特効薬(抗ウイルス薬)はありません。解熱鎮痛薬、鎮咳薬の使用など、対症療法のみとなります。
口の中を痛がるので、脱水にならないよう水分補給をこまめにしましょう。
<予防>
長期にウイルスが便の中に排泄されますので、流水による手洗い、特におむつ交換の後は、しっかり手洗いしましょう。
2、伝染性紅斑(りんご病)も流行しています。
ヒトパルボウイルス(HPV)B19が原因の疾患です。両側頬の発疹と、四肢のレース状、網目状の発疹が特徴です。皮膚のかゆみや関節痛、発熱を伴う場合があります。一旦消失して再び発疹が2 ~ 3週間後に出現することもあります。
ワクチン、特効薬はありません。症状に対する薬になります。
飛沫感染しますが、発疹期には感染力はほとんど消失しているので、発疹だけで全身状態のよい人は登校(園)可能です。
松本市医師会感染症対策委員会副委員長 水野 史